2020年6月18日
『パフォーマンスアップのテーピング』
プロトレイルランナー 大瀬 和文
前回はGONTEXテーピングとの出会いから、これまでのテーピングにおける既成概念を覆えさせられたお話をしましたが(もしまだお読みでない方は、前回のお話しを読んで頂ければ幸いです。)、今回は普段どの様に私がGONTEXテープを活用しているかをお話しさせてもらいます。
普段私は、テーピングを使用する際はパフォーマンスアップの際に使う事がほとんどです。
そもそもテーピングには、パフォーマンスアップと予防の2つの視点があるかと思いますが、私にとっての使用比重はパフォーマンスアップが多いかなっと考えております。
なので、自分の筋力が足りてないところを補う為に貼ると言うよりは、更に負荷をかけられる為に貼っていると言う感じの方が多いですね。
言い方を変えると、それは普段使用しているところの負担を和らげたりすると言う意味でも捉える事が出来るので「予防的」な意味合いも出てくるかもしれませんが私は、予防っと言うより更に動きを良くさせると言う目的で使用しております。
では早速普段どの様な時に、どの部位に貼っているかを話して行きますと・・・
【足首・足裏】
足首は必ず貼る部位になります。
トレイルランニング(※以下トレイルランと省略)・ロードランニング(※以下ロードランと省略)共に張っています。
トレイルランでは捻挫予防と言う観点もありますが、むしろ不整地において足首をある程度固定することにより安定性を伴い地面へしっかりと力を加える為でもあります。
もちろんロードランでも同じです。
ロードランの場合はトレイル以上に早く強い動きになりますので、足首のブレが生じると膝・腰・上半身と疲労が伝わってきます。
なので、しっかりと地面へブレずに力を加え推進力の向上と疲労の軽減を補う為に足首は貼っております。
足裏は、主に足底筋を動きを良くしてもらう為に使用してます。
トレイル・ロード共に足の指を使って走る事が多いので、足底筋の動きが大切になってきます。
その為私は足裏にも貼って対応しております。
また予防としては、シンススプリントなど生じやすい人は足裏や前脛骨筋などに沿って貼って予防すると良いかもしれません。
【脹脛】
脹脛はスピードを出す必要がある際に貼るようにしております。
私はロードなどである程度のスピードを維持して走る時にはヒラメ筋・後脛骨筋に疲労が生じる事が多いです。多分地面からの反発などを受けているからだと分析しております。
その為、その動きを更によくしてスピードを維持する為にテーピングを貼ってます。
最近では、トレイルランでも前半からスピードを上げて走る事が多くなっているので脹脛に貼るようにしています。
【膝・太腿】
膝や太腿は多くの人が貼っている部位ではあるかと思いますが、私もトレイルランの時に貼っております。トレイルランではアップダウンが多くコース上に見られるので、テーピングにより筋肉の動きをよくして長時間走っていても疲れず、またしっかりとパワーを出せるようにしてます。
ロードランの時も、富士登山駅伝など特殊なコース(アップダウンが多いなど)の場合は使用しております。
【腹部・腰部】
私がランニングをする中で一番使用している部位であるかと思います。
トレイルランでもロードランでも、走る際にはバランスが必要となってきます。体の多くのバランスを調整するところが、大会である腹部周辺の筋肉となってくると私は感じているので、それを補いサポートする為にテーピングを使用しております。
昔から、腰(骨盤)を意識する為に腹部周りにベルトを着けて走ってました。今でも駅伝を走っている選手の中で身につけている選手はいますよね。
あれは、単に疲労を軽減すると言うそのモノ自体の役割もあるかもしれませんが、個人的には腰の位置を高くキープさせる為の意識づけも意味があると考えています。
今はその役割を今はテーピングで補っております。
貼る部位として、お臍脇ぐらいから両足の太腿(大腰筋)に沿って貼るのと、背部にある左右の腸骨稜を結んだラインと背骨に沿った左右のラインに貼っております。
特にレース中などは、腹筋や大腰筋あたりを良く疲労するのでその部分を補う様に貼っております。
特にランニングにおいて腰は重要です。腰が疲労してくると、姿勢維持が困難になりその影響から足への疲労や痛みへと伝達する事があります。
この部位におけるテーピングが実は一番大切かと私は思います。
【首・肩】
この部位は主に呼吸を楽にする為に貼ります。
腕や首周りの筋肉などは、腕振りや姿勢維持の為に長時間動かしたり、緊張をし続けます。
その為、肩甲骨など呼吸を補助する周辺の筋肉へ干渉してしまう事があるのでそれを補う為に貼っております。
テーピングは貼り方によっては、パフォーマンスアップにも怪我の予防にもなります。
私もまだ色々と試しておりますが、まだまだ勉強不足なところもあるので、大会がないこの時期でも色々と試してみてはいかがでしょうか?
個人的には既にカットされたテープを利用するのも良いですが、ロール型も自分で長さなどを調整して自分に合わせて貼り付ける方がより良いかと思います。
テーピングの貼り方に慣れてない人は、カットテープから入っても良いかと思います。
また貼り方なども今書籍の方から、ゴンテックスサポートアスリートである鏑木選手もお勧めしている本が出ておりますので、参考にして頂ければと思います。ちなみに私も、この本を読みながらしっかり意味のある貼り方を学んでおります。
今回紹介した以外にも多くの貼り方がありますので、参考になって頂ければ幸いですね。
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