Home / インフォメーション / 【鏑木毅コラム全12回、其の2】‐トレイルランナー鏑木毅×GONTEXテーピング‐

 

2020年 5月1日

『トレーニングシーンとレースシーンではテーピングの
考え方が違う』

~用途に応じたテーピング最大活用術について~

プロトレイルランナー 鏑木 毅

上半期の大会の大半が新型コロナウイルスの影響で中止となってしまったようです。モチベーションもなかなか上がらない状態ですが、こんな時こそ知識を取り入れて来るべきシーズンに向けてワンランク上を目指してゆきましょう。

皆さんは普段の練習やレースでテーピングとはどのように付き合っていますか?実はトレーニングの時テーピングとレースの時のそれとは考え方が大きくことなります。今回はそんなことについて書かせて頂きました。
多くの皆さんにとってテーピングは決して安いものではありません。効果があることは理解して頂いてもなかなか頻繁には使えないのが実情ではないでしょうか。ただポイントを押さ適材適所で使うことで、コストをかけずにパフォーマンスを上げることができます。
そんなことも念頭に入れながら以下読み進めて頂ければ幸いです。

【トレーニングでのテーピングの考え方は】

①故障の恐れがある箇所(気になる箇所)に貼ることでリスク軽減させよう。

トレーニング前に気になる箇所がある時にはどうしていますか。
例えば、左脹脛がいつになく張りがある。こういった違和感はトレーニングの最初の段階ではさほど気にならなくとも、練習中に負荷がかかるたびに徐々に違和感が増し、終った時には痛みに変わってしまう。長期にわたる大きな怪我も最初はほんの小さな違和感からはじまることがほとんどです。私もこれまで何度もこの失敗をくりかえしてきました。
若い頃には筋肉組織の弾性(水分量といって良いでしょう)があり少々の無理がききました。しかし40歳中盤くらいからは、例えば「脹脛に違和感があるな」という時にはそのままにしておくとかなり高い確率で故障につながるようになってしまいます。
未然に気になる箇所にテーピングを施すことでかなりの場合防ぐことができます。確かにテーピングは高価なものなので使うことに躊躇する気持ちはわかりますが、どんなに軽症な故障でも1、2週間、大きなものになれば年単位でかかります。気になる箇所へのテーピングは故障で治療院を通うことを考えればさほどのコストがかかるものではありませんので、労を惜しまず気になる箇所には是非貼ってください。
この際にポイントになる箇所は「脹脛(腓腹筋、ヒラメ筋)」、「太もも裏(ハムストリングス)」、「太もも側部(腸脛靭帯)」、「足裏(足底筋)」の4カ所でしょうか。これらの箇所を中心に局所的なテーピングでかなりの故障のリスクを未然に防ぐことが可能です。
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写真:トレーニングでの予防のためのテーピングの代表例「脹脛テーピング」。
年間を通して最も施すことの多いテーピング。今までこれでどれだけ未然にトラブルを防げたか・・・。貼り方は「テーピングで快適登山(高橋仁)」(山と渓谷社)参照。
※鏑木選手使用モデル:「GONTEX 5cm×5m ロールテープ 夜間リフレクタータイプ」(¥1,500+税)

 

②トレーニングパフォーマンスを上げる(攻めのテーピングという考え)

練習メニューによっては過剰負荷(オーバーロード)をかけるトレーニングを月に数度の頻度で行います。例えば私の場合、8時間のトレイルランや1000m×15本といったインターバルなど、今の自分の能力以上の負荷をかける厳しいメニューを時には行うことがあります。この目的は、自分の限界値を上回ることで、自分の器を広げ、レースでの極限を乗り越えるという意図があります。自ずとリスクが高いメニューとなりますから、数日前から練習量を調整し体調を整えることが大切です。そしてその効果を高めるのがテーピングです。
パフォーマンスアップのためのテーピングを施すことで、より追い込める体制をつくります。例えば、生足(ノーテープ)であれば6時間ほどで脚バテする状態が、テーピングの効果であと2時間引きのばし8時間追い込めるようにする。またインターバルであれば10本で限界値がくるとこころを、同様に15本まで引き延ばすことができる。まさにより追い込むためのテーピングという考え方なのです。前述した故障を未然に防ぐテーピングが「守りのテーピング」であれば、これは「攻めのテーピング」といっても良いでしょう。

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写真:トレーニングでの「攻めのテーピング」の代表例「膝貼足~山下り専用~」を大腿前面部に貼っての高強度のトレーニング。この日、埼玉県奥武蔵山域にてレースに近い負荷で8時間のトレイルランニングを実施。高負荷による脚バテに備え、パフォーマンスアップのためのテーピングを施す。
GONTEXのカットテープはこのパフォーマンスアップに即した特性を持つものが多い。
※鏑木選手使用モデル:「GONTEX山下り専用膝貼足5 迷彩柄 カットテープ」(¥850+税)

【レースでのテーピングの考え方は】

①テーピングには疲労のピーク遅らせる効果がある。

最初に厳しい言い方をしてしまいますが、レースに際して違和感がある箇所にテーピングするという考え方はナンセンスです。そもそもそういった不安な箇所があるようではレースの結果は望めないしょう。こうならないためにレースに向けて疲労を抜き、完全な体調でスタートできる準備をしなければなりません。
レースでテーピングの考え方は「疲労のピーク出来る限り遅らせる」こと。
例えば70kmのトレイルレースであればある程度の準備をしても30km~40kmあたりから筋的なダメージが走スピードに影響しペースダウンする結果となるでしょう。
テーピングを施すことでこの疲労感による影響が出てくる距離を50km~60kmに遅らせることで(もちろんオーバーペースにならないコントロールが大切ですが)結果としてペースダウンを最小限にとどめるのが大きな役割と言えます。

 

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写真:2019UTMBの140km地点のエイドにて。脚全体に疲労のピークを遅らせるためのテーピングを施している。100マイルレースのため最高レベルの鉄壁のテーピングであることが見てとれる。
※鏑木選手使用モデル:「GONTEX山下り専用膝貼足5 迷彩柄 カットテープ」(¥850+税) / 「GONTEX膝貼足2+ 迷彩柄 カットテープ」(¥850+税)

 

②想定外のリスクに備えることの重要性

レースの時には自ずと普段とはワンランク、ツーランク上の負荷が体にかかることになります。また、独特の緊張感や雰囲気から思わぬトラブルに見舞われることが多いようです。皆さんも肝心要のレースでどうしてこんなというようなアクシデントに遭遇した方は多いのではないでしょうか。私自身もこれまで何度も苦い思いをしました。
その典型的なものは捻挫や高い負荷による肉離れです。私も長年大会プロデューサーとしてそんなシーンを多く見てきました。例えば寒い環境下でのレースのスタート直後、筋トラブルや捻挫などで早々にリアタイする選手はたいがい生足の方が多く、リスク回避のテーピングを施していればという光景をよく目にして来ました。
年間何度もチャレンジできない特別な日、ましてや海外レースとなれば一生に一度の機会かもしれません。レ―スでのリスクを回避するため、ここぞというレースでは入念なテーピングを施した上での出走を強くお勧めします。

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写真:100マイルなどのロングレース時の基本的テーピングスタイル。外見からはウエアー、パンツ、ソックスなどに隠れ一部しか見えないが、ここ一発の大切なレースではこれだけの完全防備。疲労のピークを遅らす+リスク軽減の両面を考慮した完全装備。写真ではわかりにくいが足裏、足首にもテープが施されている。幾多の厳しい環境下のレースのなかでもゴンテックステーピングはほぼ剥がれたことがないのが驚異的。
※鏑木選手使用モデル
①腰:「GONTEX 幅7.5cm×長さ5m 迷彩柄」(¥1,425+税)
②ハムストリング:「GONTEX 幅5cm×5m ピンク」(¥950+税)
③太もも全体:「GONTEX 膝貼足2+ 迷彩柄」(¥850+税)
④ふくらはぎ:「GONTEX 幅5cm×5m 迷彩柄」(¥950+税)

 

【まとめ】
テーピングを日ごろから上手に活用することで必ずパフォーマンスにつなげることができます。大切なことは「想像力」です。これを貼ることでどうリスクを回避し、パフォーマンスを上げることができるかイメージすることができるかどうかです。
テーピングは面倒という方もいらしゃいます。確かにレース用のテーピングはある程度貼ることに要する時間が必要となりますが、トレーニングの際のリスク回避のためテープは慣れればさほど時間はかかりません。
また、テーピングを敬遠する方はが良くおっしゃるのは「自分の貼り方が果たして正解なのかわからない」という質問を伺います。
確かに100パーセントの完全なテーピングを施すにはトレーナーなどの専門家に貼ってもらう必要があるかもしれません。
しかし、テーピングは最低限の筋肉の走行(筋繊維の向き)を理解していれば、多少の自己流の貼り方でも効果を得ることは十分に可能です。
少しずつで構いません、テーピングと付き合ってみてはいかがでしょうか。

【参考:テーピング 私のお勧めの本】
最後に私のテーピングのバイブルがこの本。前述した筋肉の走行に関する部分も理解しやすく書かれ、とにかく簡単で分かりやすいです。
ご自身で貼れるコツがやさしく書かれているので重宝します。様々なトラブルの対処テーピングの方法が掲載されているので、一冊は自宅に、もう一冊は遠征時のバッグに必ず入れてあります。是非ともご覧になってみてください。

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山登りABC「テーピングで快適登山」著:高橋仁(山と渓谷社)
定価:本体1000円+税

※鏑木毅コラム読者特典

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