GONTEXの仲間でもあるサポート選手たちについて知ってもらいたいという趣向で始まるこのインタビューの2回目はトレイランナー須賀選手とお届けしていきます。(プロフィール末尾記載)
それではここからインタビューの内容をお送りいたします。
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GONTEXハッタリ君「こんにちは。今日はよろしくお願いいたします。」
よろしくお願いします。
「今回はSNSなどでもなかなか発信されていない今までの須賀選手の活躍を含めお聞かせいただければ嬉しいです。」
トレランとの出会いは?
僕もともと山形県の山間のちっちゃな町出身で、遊びの延長で里山やオフロードというか砂利道を走るみたいなことには抵抗なく育ちました。元々は野球少年で、陸上競技の長距離走を高校大学と行っていたんですが高校のころから腰を痛めてしまって足のしびれが取れずにいました。
「それは結構つらいですね。」
それでそのあと大学3年の時ですかね、2009年だと思うんですが、その時いた仙台の県民の森とかを走っているときにあんまり腰の症状が出ないことに気づいたんです。これならもっと長い距離でも痛みなく走れれるんじゃないか?という思いから大学のキャンパスから見える泉ヶ岳に行ったときが初めてのトレランだと思います。
「そうなんですね。それだと知合いにつれられてとかじゃないんですね?」
そうなんです。ひとりで行ってその時の約1200mの泉ヶ岳から見える景色とかに度肝を抜かれてハマっちゃいました。そっから毎週行くみたいな生活です笑
「じゃぁほんとに教わったとかじゃない自然にはまり込んだって形ですね。」
それこそ鏑木さん横山さんがUTMBで入賞してたような時期なんですけどそこからやっとトレランに火が付くかみたいな時期なので、東北なんてまだトレランのトの字もない時代でした。僕も全く知識がなくて熊鈴と水だけ持って行ってました。
「道具の知識とかもまだまだ今ほど普及してないはずですよね」
そうなんです。それでそのあとからやっとザックとかシューズを揃えだしました。
初レースはどちらですか?
トレランというか難しいですが大学4年の時の安達太良登山競争というのがあってそれを含めるならそこですかね。今はなくなってしまいましたが、順位もつかない完走賞だけもらえるような大会でしたが、想像以上のスケールにすごく感動したのを覚えています。今は無くなってしまったのでちょっと残念ですね。トレランと言い切れるものは2011年の社会人に1年目で出た石川選手が作っていた仙台泉ヶ岳トレイルランニングレースですね。
「ちなみにその時の順位はどうでしたか?」
2位でした。その時かなり速い方と競って2位だったので少し自信を付けました。ちなみに2本目は赤城山のトレイルレースで、鏑木さんもゲストランナーでいらしていたんですが僕が勝っちゃったんです。あとから思えばUTMBでの負傷など本調子じゃないのは当たり前なんですが当時は結構調子に乗っちゃいました。笑
「いやそれは調子にも乗ります笑」
ほんと調子乗ってガンガンレース出たい!って気持ちになって暇あればレース出るみたいになっていました。
須賀選手の感じるトレランの魅力はどんなところですか。
3つあります。1つ目はやっぱり最初始めた時に感じた、苦労して到達した場所で見える最高の景色や気持ち良さみたいなものです。この感覚は今も変わらずにずっとあります。2つ目は体を動かせる楽しさですかね。当初ケガをしていたというか今も痛みはあるんですがその中でも痛み少なく走れるトレイルランニングはやっぱり楽しいので自然に体がトレイルに行っちゃいます。笑」
「確かにSNSでもたまに書かれていますよね。」
そうなんです。そして3つ目なんですけど僕ギアが好きなんです。そのギアの楽しさもトレラン特有かなと思っています。距離が長いほど気象条件やギアチョイスで結果が大きく変わるのはとっても面白い部分だと思います。補給/テーピングなどすべてを含めて楽しいです。
「確かにそれトレランらしさともいえるかもしれませんね」
それにギアトークというか仲間と「どこどこのギアがー」とか「○○のシューズじゃん!どう?」なんて話すのもすごく好きで、それも楽しさの1つかなと思ってます。ヨーロッパに多い自転車とかクロカンスキーとかみたいな機材スポーツというかヨーロッパで人気のある競技という感じがあっていいですね。
思い出のギアってありますか
テーピングでですか?
「いや忖度なしで大丈夫です笑モデル名まで上がるような何かありますか?」
結構責めた質問ですね笑
「お願いします。笑」
だと、やっぱり始めた当時のアイテムですね。改めて僕が始めた当時は鏑木さん横山さん石川さんヤマケンさんにあこがれというかそこから真似し始めたので、ザックだとノースフェイスのマーティンウィングプロですかね。もう鏑木さんが作ったモデルで横山さんも使われていて当時僕も数年使っていました。鏑木さんの真似をして使いやすいようにカスタムしていました。シューズだと、、、ヤマケンさんが履いていたAsicsをまねしてGEL-FUJIをはいてました。もう1つは石川さんがはかれていたマウンテンマゾヒスト(montrail)ですね。これらはもう使えませんが実際にはいてた物をまだ取っておいてあります。
「まだとってあるなんてそれこそすごい思い入れですね」
それこそテーピングも思い入れがあって、膝が痛くて薬局で売っていたやつ使ってたんですけどべろべろに剥がれて、でも陸上時代からはがれるのが当たり前くらいに考えていたのでまぁこんなもんかって感じだったんです。そんな中で2013年のおんたけ100kで出店してたGONTEXのブースで貼っていただいてでも前日受付なので「いやお風呂入るんですけど」って伝えたのに大丈夫大丈夫って貼られて「うそだぁ」くらいに考えていたらほんとにはがれなかったのですごい覚えてます。
「ありがとうございます。恥ずかしいですね笑」
好きなレース思い入れのあるレースはありますか?
すごいいっぱいあるから難しいですねぇ
「そしたら好きなトレイルというかフィールドともいえるかもしれませんがそういうレースはありますか。」
それだと。。。岩手の七時雨トレイルですかね。フィールドっていう点ではスタートすらも山に囲まれて多分トレイル率99%くらい行くようなレースでロードも好きだけどトレイルが好きな僕にはたまらないです。スタートからゴールまで山で過ごすあの感覚、とっても好きなフィールドです。
「スタートから電波ないですもんね笑」
そうそう笑
(↑七時雨マウンテントレイルフェスゴールにて。)
「そしたらレースとして思いでがあるものだとどうでしょうか。○○年の○○というレースみたいな感じで。」
それだとー。。。かなりうれしかったのが2014年のSPAトレイルですね。それまで表舞台というか有名レースでは表彰台に立てていなかった僕が大瀬選手小林選手と戦えて勝てはしませんでしたが3位という順位につけたことがとてもうれしかったのとすごく自信につながったステージが上がった感覚があったのを覚えています。
「ターニングポイント的な感じですね」
悔しい思いでいうと2017年のUTMBですね。あんときは今までの中でも1番準備したのに力出せず、「わざわざフランスまで行って何してんだろう。。」って悔しさがありました。大会のゼッケンってあんまりとっておくタイプじゃないですし、取ってあっても押し入れにいれてしまう中UTMBのゼッケンだけは壁に貼ってあります。絶対にもっかい出たいですね。
(↑UTMB参加時の須賀選手)
出てみたい大会はありますか?
出てみたい大会は、、、かなりいろんな大会出てるので割と一通り出尽くした感覚はあるんですが競技的な部分でいうと、2021年の世界選手権は狙ってみたいと考えてるので選考に関係するレースですね。興味本位でいうと九州特に阿蘇ですね。ただ九州は東北からだと遠くて。。。
「確かに遠いですね。海外ではないですか?」
ウェスタンステイツですね。歴史もありますし競技的にもあそこで入賞している日本人ってたぶんですけど鏑木さん石川さんくらいだと思うのでそういう意味でも、そこに続いて狙ってみたいという気持ちがあります。クラシックなあのレースでもし活躍できたらなんてのは内心思ってますね。
(↑競技者でもありながら楽しんで走る須賀選手)
トレランスタイルとかポリシーみたいのものはありますか?
大事にしているのは自分の気持ちお赴くままにっていうことでしょうか。
「赴くままにですか。」
トレランのスタートがあんな感じだったので行きたいとき行きたくないときの思いつくままに行うのは結構大事にしています。そんな原点みたいな部分は大事にしてます。走りに行ったのに景色や花なんかを眺めて全然進まないときもありますよ笑。
「素敵ですね。」
あとはトレランってカルチャー部分とコンペ部分とで対立じゃないですが、やいやいしている感じがあってそれが仙台でも少しような気がします。トレランの講習会を3年くらい前から行わせていただく様になってから触れ合う人が増えてより感じるようになりました、そういうのをなくしたいじゃないですが、できる限りでお互いのスタイルを認め合うように、同じトレイルを共有する仲間としてそういった部分を仙台やSNSでも発信できればいいなぁと思っています。
(↑地元仙台にて合わせて年3回開催の講習会/トレランツアーの様子)
トレランを通じて今後行っていきたいことなどありますか?
実は、というかSNSなんかでは言い出しているんですが大会を開催しようと思っているんです。
「そうですよね。何度かお見かけした気がします。」
ちょっといまこの状況なんで話は全く進んでませんが企画書レベルでは完成していてそれを持ち込むような段階なんです。その大会でもっともっと楽しいトレイルランニングを広めていきたいんですよね。それに田舎って実はできるスポーツが少ないんです。それそ部活レベルもそうですが大人になってからやれるスポーツが少なくて、大人になってからでも楽しめるんだよっていう面でも広めていきたいと思っています。もちろん、親子連れ、子ども達も楽しめる大会にするつもりです。
「素晴らしいですね。フィールドは決まっている感じですか?」
山形県の方で実はいいと思っている場所があります。仙台からでも2時間半くらいかかるような場所ですが。
「そこまでめぼしがついてればあとはコロナさえという感じですね。。」
そうなんです。まずは地元の方に受け入れてもらうところからですが。
「ちなみにほかにはありますか?」
実はそういった企画などを進めるにあたって肩書じゃないですがそういった自分を一言で表せるものがあるといいと思っていてそういう意味でも今年は結果を少し狙って走っていこうと思っています。
(↑大会開催を考えるエリア)
これを読んでくれているトレイルランナーの方々に何かコメントいただけますか?
えーっと。。難しいですね。それこそこんな状態なのでみんなで励ましあいながらやれればと思っています。またフィールドで遊べる日は絶対来るのでその日にすぐ動き出せるように体もギアも手入れを続けていければと思います。
「準備っていうのも楽しい時間ですよね。それこそレースに合わせたギアをみんなでシェアしあうなんてムーブメントも楽しそうですよね。」
そういうのもいいですね!でもほんとに楽しめればと思います。
「ですね。今日は本当にありがとうございました。とても楽しい時間でした。」
とんでもないです。こちらこそありがとうございました。
(↑GONTEXとともに走り続けますといううれしいお言葉とともにいただいた写真)
以上
須賀 暁選手プロフィール(Twitter@moyashikao insta@satorusuga)
トレイルランナー
契約/サプライヤーメーカー
GONTEX